"プランナー"都築京香とレネゲイドビーイングの変化
レネゲイドビーイング自体は、はるか昔、レネゲイドがこの世界に出現した頃より存在していた。だが、その知性レベルは極めて低く、他の知性体とコミュニケーションが取れる者は稀であった。さらに白律行動が可能なものともなると、世界にたったひとりしか存在していなかったのだ。
その一体とは、FHの"プランナー"都築京香である。
都築京香はレネゲイドビーイングの中でも最初の一体と思われる存在であり、いつから存在していたのか、本人すら正確には把握していないと言われている。ただ、彼女が人間並み、いやそれ以上に明晰な自我と知性を持った特殊な存在であることは確かだ。彼女は正体を隠し、長らくFHのもとで数々のプランを遂行しながらも、それと同時に、自身と同等の存在を生み出すためのプランを、虎視眈々と進めていた。
20年前の変化
長らく明確な自我を持つことなく漠然と存在するだけだったレネゲイドビーイング。
その多くは弱々しい知性しか持たないが、知性はあれど長く存在できない、もしくは自律行動ができない不完全な個体ばかりだった。
だが、今から20年前、レネゲイドウィルスが世界中に広まった事件を機に、彼らに変化が起こり始めた。人間と肉体を共存して行動する個体や、偶発的に意志を持つ個体が増えてきたのだ。また、既存のレネゲイドビーイングたちもまた、ゆっくりとではあるが、知性を伸ばしつつあった。
20年前を堺にして、レネゲイドビーイングたちは進化を加速させ、高度な知性を獲得しつつあった。その原因はレネゲイドウィルスが世界に拡散したことによって、彼らが人間という知的生命体に接触する機会が増えたためだと推測されている。レネゲイドビーイングたちは、人間の精神構造を取り込むことによって、人間と並ぶ知性を得るにいたったのである。
そして、つい最近になり、そんなレネゲイドビーイングたちに新たな変化を促す、大きな事件が起きた。"面影島事件"と呼ばれるレネゲイド事件だ。
関連する事件
ここから先には、『ダブルクロス』シリーズの商品に関わる記述があり、読んでしまうとリプレイやソースブック掲載シナリオの結果が分かってしまうものもある。各リプレイ、ソースブック掲載シナリオを前情報なしで楽しみたいのであれば、それらを読む、もしくはプレイした後で、本項目を読むことをお勧めする。
"面影島事件